軽量コンクリートのポンプ圧送条件について
生コンクリートの打設方法として、ポンプ打ちは時間当たりの打設量も多く打ち込み箇所の制約も少なく利点が大きな方法ですが、軽量コンクリートの場合、特にセメント量が少ない配合は、ポンプ圧送時の管内圧力により多孔質骨材への吸水が原因で管内閉塞を起こすことがあるとされております。貧配合でスランプが 15㎝(単位水量が180㎏/㎥程度)の場合 10cm程度のスランプ低下が生じる場合があるとされています。当組合でも「軽量1種 18-15-15N」のコンクリートでポンプ閉塞が発生事例の報告があります。これに対しましては、以下の対策が有効と考えられます。
① 配管は 5インチ管、曲がり管(ベント管)の使用を少なく、テーパ管はなるべく短く
② 打ち始めは様子を見ながらゆっくり圧送
(人口軽量骨材協会資料より)
③ スランプは 21㎝以下、水セメント比の最大値 55%、セメント量の最小値320kg/㎥
(公共建設工事標準仕様書より)
耐久性の問題につきましても、「単位水量を 190kg/㎥程度としても、軽量コンクリートは、普通コンクリートに比べて長さ変化の進行は穏やかで、単位水量ならびにスランプの違いが長さ変化に与える影響もほとんどみられません。」と報告されています。
上記の条件を満足するコンクリートは概ね呼び強度24以上となります。しかしながら軽量コンクリートの使用目的が防水押さえ等で、強度を殆ど必要としないにもかかわらずポンプ打ちを選定せざるを得ない場合は、不経済のコンクリートを使用することとなってしまいます。したがいまして、上記条件を満たさないコンクリートのご使用を否定するものではありませんが、貧配合をポンプ打設される場合、このような状況であることをご理解いただき、自己責任でのご使用をお願いする次第であります。